ヘルスケアウェブログ

事務長の湯沸室

プラスチックの面倒くささ③

・プラスチックの面倒くささ③、が続きます。
 ポリ塩化ビニル(PV)のこと
 プラスチックを構成する基本物質をモノマーと云います。殆どが、水素と炭素が二重結合(炭化水素)した単純構造の(低分子化合物)です(例、エチレン:炭素2コ、プロピレン:炭素3コ)。モノマーが幾つも、例えば1,000コ以上重なった(重合)したものをポリマーと云います。
 70年代のアニメ「破裏拳ポリマー」は、このポリマーから着想しています。劇中、主人公が(ポリマー粒子:架空)を全身に被覆することで強化服ポリマースーツを纏った(破裏拳ポリマー)へ「転身」する他、なんとスーツ形態から5種のメカ形態に「転身」しちゃうトリッキーな設定で陸海空のみならず地中をも駆けるのです。すごいぜ!
 話しを戻します。
 ポリ塩化ビニルは、モノマーである(塩化ビニル)が重合したポリマーです。ここでの塩化ビニルは、水素・炭素に加え、塩素も結びついています。塩素の含有が60%もあって、多くのプラスチックが100%石油を原料とするのに対し、ポリ塩化ビニルは石油(エチレン)40%、と石油を使う量が少ないのです。
ポリ塩化ビニルの特徴として燃えにくく、耐油・耐薬・絶縁性が高いため電気コードの被覆や水道管・中圧ガス管(驚くほど柔軟です)に用いられています。
ビニール(正しくはビニル)と呼ばれるモノはポリ塩化ビニル(PV、またはPVC)製を指しますが、長年ビニールとプラスチックとで大雑把に括ってきたため混同というか面倒くさくなっています。
 子どもの頃、水着を入れていたバッグ(袋)はビニル製でした(厚みがあってゴワゴワしたヤツ)。LPレコードてありますよね、あの四角形のジャケット袋はれっきとしたビニル袋です。透明ポーチもビニル製です。
あくまで私見ですが、この頃からある程度の硬さがある(石油製品)をプラスチック、それで柔らかく(ペラペラ)した透明(あるいは半透明の色付き)なのをビニールと、なんとなく区別してたんじゃないかなと思うのです。買い物に行くと八百屋さんでは新聞紙、肉屋さんでは竹の皮に包んでくれたものを自分の買い物籠に入れていた時代です。ビニール袋(レジ袋)は登場してません。やってきたのは80年代初期、コンビニのSPAR(スパー)の熊本進出からでしょう(断言)。スパーのロゴがプリントされた真っ白の“ビニール袋”は新鮮でした。
 実は、レジ袋の殆どがポリエチレン(PE)です(ゴミ袋も、スーパーにあるロール袋もです)。
だから(ポリ)袋なんですが、誰もがビニール袋で通してましたね。ポリって付けるのはせいぜいポリバケツくらいです。ポリオレフィンとも云いますがポリマーの総称であって、ポリプロピレンも含まれますので、ここではポリエチレンで通させてください。
 ビニール傘はポリエチレン、ビニールハウスもビニル(農ビ)とポリエチレン(農PO)と用途で分かれます。ビニル製じゃないのが圧倒的に多いのです。
プラスチックの面倒くささ(ポリ塩化ビニルのこと)は続くよ、は明日のこころだぁ!
第6回はここまで(ww)。礼!(17/06/2023)

年別一覧