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事務長の湯沸室

接着剤のこと②

・接着剤のこと② 
 前回からの続きです。接着の原理の三つ目、物理的吸着です。
分子間力やファンデルワース力といわれる、物性と接着剤間が非常に近く互いの分子同士が引き合う力があります。ガラス板同士をを水で濡らすと離れなくなるアレです。余談ですが、ヤモリが垂直なガラス面を這うことができるのも、指先に生えている微細な毛とガラス面にファンデルワース力が作用しているためです(うーん、でも誤解されそうな気がする)。
 しかしながら、ガラス板では(ぬれ)るといった必須条件があります。(ぬれ)たまま馴染んだ状態で固定され、馴染みっぱなしになった状態を(くっついた)といいます。逆に、(ぬれ)がなければ結合もしません。だから、これもまた不十分な理屈です。
 接着剤は液状(または流動状)で、塗られ固まって接着します。最初は液状でなくてはなりません。またも余談ですが70年代にサイエンスエコー(学研教育出版刊)って雑誌がありました。小学生対象だった(学研の科学)の中学生版みたいなもんです。ただグッとレベルとお値段がお高くなって、親に買ってくれとは云えなかった私は、購読してた一つ年上の従兄弟の家に遊びに行った時にパラパラと読んでました。
毎号、「キミはどう考える?」みたいなアイディア募集コーナーがありまして、何時だったか“なんでも絶対にくっつく接着剤の保存方法とその容器を考える”というお題がありました。絶対に、てワードがキモですね。中二病には突き刺さります。
液状を安定できる容器でしょうかね。要は固まらない条件があればよいと今なら答えられます。

 先ほどの液状である必要性を考えると、固まっていると(ぬれ=)塗れないからです。物性に対して、くっつける所に(塗れる)ことが重要です。
瞬間接着剤は何でも強力にくっつける!みたいなCMがありますが、あれは「うーん」です。
くっつきにくい素材はいくらでもあります。くっつくかどうかを試すには水滴を落とします。水でいいです。
くっつかなければコロンと球状に乗っかり、くっつくならベタッと表面に馴染みます。水滴が半球状で、接触角度が90°以下を(ぬれ)た状態とされ、このとき前出のファンデルワース力が生じて(くっついている)のです。
 次回、くっつく素材(物性)は何かは、明日のこころだぁ!
第3回はここまで(ww)。礼!(26/05/2023)

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